しかし「dB」だけでは一概に判断できないのが防音の難しさ。例えば、同じ90〜100dBでも楽器によって防音対策は変わってきます。ヴァイオリンやギターなどは「空気伝搬音」の対策だけでよいのですが、チェロやコントラバス、ピアノのような床に接する楽器については「空気伝搬音」に加え「固体伝搬音」の対策も考慮する必要があるのです。

「空気伝搬音」とは、空気中を伝わっていく音のことです。音源から離れるほど音は小さくなり、塀や壁などを通すと更に小さくなります。 一方、「固体伝搬音」とは、音源から発生した振動が、壁や床などに振動を伝えて音となるもの。糸電話と同じ原理ですね。なので音が伝わる経路や固体の形状、構造などによって防音工事は大きく異なります。

まずは、防音したい音の種類がいずれのものであるかを知ることが、防音対策の第一歩といえますね。また「固体伝搬音」のほうが、対策しにくいことも覚えておきましょう。もちろん奏者や曲によっても変わります。